お芳さんのサンゴの簪(かんざし)
2022/06/28
以前、高田郁先生の講演会について書きましたが、
先生の著書「みをつくし料理帖」シリーズを現在出ている9冊、読み終わりました
北川景子さん主演でドラマ化されたのでご存知の方も多いと思いますが、
いや~、面白い時代小説にこんなにはまるとは
7冊目くらいまでは寝る間も惜しんで1日2冊くらいの勢いで夢中になって読んだのですが、
気に入ってた登場人物(又次さん)が死んでしまったショックでしばらく続きを読めませんでした
あ、ネタばれすいません
完結編が8月に出版になるそうなので、楽しみに待ちたいと思います
さて、その「みをつくし料理帖」に度々出てくる料理屋「天満一兆庵」の元女将、芳さんの
サンゴの簪(かんざし)
お金代わりにこの簪を元奉公人に渡したり、食材を買うために売ってしまったり、
よほど高価なものだったと思わせるものです。
舞台は江戸時代後期、着物姿の女性たちのオシャレは簪や櫛(くし)、帯留といったところでしょうか。
明治時代の文献には高額なサンゴの簪やべっ甲の櫛についての記述があり、
簪などを取り扱っていた小間物商が宝石商の前身だといわれています。
この時代、サンゴの簪は女性に人気のおしゃれだったようですが、本物は誰でもが買えるものではなく
模造サンゴも出回っていたようです。昔から「ニセモノ」は存在したんですね~
お芳さんのサンゴの簪は大きな丸玉。シンプルで色艶の美しいものだったに違いありません
高知でサンゴの採掘がはじまるのは明治以降なので、お芳さんのサンゴは舶来品だったのかも。
今の貨幣価値にすると、10万円くらいかな?(私の勝手な計算です)
お芳さんのサンゴの簪は亡くなった旦那さまからもらった大切な宝物でした。
江戸時代も男性から愛する女性へのプレゼントは装飾品
それは何百年経っても変わらないのですね
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